遠足

 よく分からんのだが小学校と中学校が混ざっていて、さらに俺は小学生の時に一度転校を経験しているのだけれど*1、その転校前と転校後の学校両方の友人が混ざっている。だけど基本的には小学生時代のことがモデルになっている。
 俺らはどこかに遠足へ向かおうとしている。けど、雨が降っている。雨の中を傘差しながら、思い思いの道を歩いている。この辺は高校の時の一日遠足の方式が取られている。京都のある公園が集合場所で、みんなそこに、それぞれ仲のいいグループでダベったり寄り道したりしながら行き、集合してからもただそのグループで行きたい場所に行って、時間までに集合場所に戻って解散するという超手抜きイベントだった。俺は友人と前の日から京都のある宿泊施設に泊まり込みで行って酒だの煙草だのが飛び交ったかもしれない狂宴に興じていたりいなかったりしていたなあ。
 話は逸れたがそんな向かい方をしながら小学校時代の俺は遠足をしている。傘の骨が縁についてる鞘みたいな形状の留め金からしきりに外れて、グニャグニャになってしまうのを俺は何度も直しながら歩いていた。そして途中、なんか転校前の小学校時代の校長先生が、女の人だったのだけど、俺らのところにやって来て「ちょっとこっちに来て」と言って歩道から、車道と歩道の間にある道(自転車が通るところ)に誘導してきた。そこで俺らは「やっぱり遠足は中止です」と言われる。俺らは「あ〜あ、やっぱな」という感じになり、小中学校の時は先生全般に何となく薄い敵愾心を持って、先生のことを肯定したり支持したりするとダサいみたいな風潮があったのだが、その根拠のない敵愾心が裏打ちされてしまうのをみんな感じていた。「最初から雨降ってるのに、分かり切ってただろ、なんでとりあえずは行こうとしたんだよ」みたいにみんな思っていた。遠足でやることはバーベキューだった。俺もむかついていて「じゃあ帰りに焼肉食いに行くわ」と言うと、一緒に行動していた豆谷という少年野球メイトが、学校側への反発としてはなかなか味のある行為だなという共通理解を持っていることを示すために「ハハッ」と小さく笑っていた。ヤンヤというあだ名の友人がいたんだけど、俺らは駅から帰る時にエレベーターか何かに乗ろうとしていて、ヤンヤに俺が「ヤンヤ、エレベーターのボタン押して」と頼んだ。するとちょっと不良っぽかった中学時代の友人がそれと似た発音で「ヤンヤ、牛肉買ってきて」と発言し、俺らはめちゃくちゃウケた。皮肉すぎる!という意味でウケていたのだけど、さして皮肉にはなっていないと、今思う。

*1:リアルの話