仮想世界はIT時代閉塞の現状を打破できるか?


 これ見たんですけどね。「仮想世界はIT時代閉塞の現状を打破できるか?」という、こういうのなんていうんだっけ、シンポジウムか。これを見たんですけど、長いね。あとこういうの見るとさあ、どの人がまともでどの人がイマイチなのかっていうのを自分の中で位置づけることになると思うんだけどね、この場合は東浩紀の独壇場だ。彼のせいで他の参加者の発言が眠たいことに聞こえてしまう。実際、滑り出しは東浩紀の鋭い問題提起がド頭に炸裂して、面白くなるだろうと確信していたんだけど確信はアテにならんわけで、内容としてはひどかった。セカンドライフがどうしてかよく分からんがプッシュされまくっており、東浩紀が「そんなのはサービスの一つに過ぎなくて、それよりトピックの話をしませんか」というようなことを言っていたのに、特定のネットゲーとかセカンドライフの話ばっかりする人が多くて構造的な議論はなされなかった。ネットゲーを論って語るならパンヤとかキャッチマインドとかリネージュとかラグナロクオンラインとか東風荘とか、もっといえばウィキペディアとかはてブとかボケノートとかその他にも軽く触れておかねばならんのじゃないのか。あれじゃあ狭すぎる、つーか数多く言及しろってんじゃなくて多様化しているさまをどう分析するのかとか、そういうサービスに定住するようになるプロセスなどについて触れないといかんでしょう、ネット上でのうごめきがリアルに還元されてほしいという願いを吐露するだけじゃなくて。「仮想世界などというものは存在せず現実があるだけ」というあまりにも正しすぎる東浩紀の指摘はどこに行ったのか。「いやそりゃ全部現実なんだけど、ミクロとマクロの世界で分けて考えないと物理って成り立たんでしょ? だからルールを解明したり思考の上での簡単のために区別する必要があるんですよ(笑)」というような反論はなかったのかい。なかったんだよ。選挙の話から脱線していく流れの方がよほど面白くなったと思うね。まあそれでも観ていて有意義な時間でしたよ。