変な夢だった

 変な夢だったな。
 今行ってる会社のエレベーター近くの空間がとても広くなっていて、渋谷ハチ公口店のビックカメラのそれみたいになっている。その場所で、なぜか社員一同総出で、エヴァンゲリオンの次回作の声優陣を歓待している。こちらの社員は和やかに笑っていて、失礼がないようにしている。みんなからは「これから取引が必ずしもない相手だとも限らないし」という空気が伝わって来る。
 声優陣はエレベーターの前で横一列になっていて、それを囲むように半楕円形になって俺らが並んでいる。声優側に属している、マイナーなイベントのMCみたいな人が、妙にテンションの高い自己紹介をした後、加持リョウジ役の声優が変更されたというニュースを発表し、全員が騒然とする。新しい加持さん役の声優らしい男性が一歩前に出て、「どうも〜、加持リョウジですぅ。よろしくお願いしますぅ」みたいな気持ちの悪い口調で喋った。ものすごくショボいというか情けない声で、本来ならそこで拍手が起こるはずだったけど、あまりの気持ち悪さに、誰も拍手をしない。むしろざわざわしている。さっきまであんなに歓待ムードだったのに、不穏な空気になりつつあることを危惧したのか、こいつと全く同じ顔をした声優が、変なボケをした。それで社員がみんな怒ってしまって、うちはIT企業なんだけど、全員で外に出て、加持リョウジ役の声優とボケをした声優二人だけをバスに乗せて、空に飛ばして宇宙に飛ばした。その時俺は、うちの会社の技術ってすげーな、と思った。
 その後、上司のSさん(現実でもそう)に俺が「うちの会社って、会社の収益のために何かいい企画がないかと考案するような業務上の時間って取られてないんですか?」みたいな質問をした。Sさんは俺の質問があまりにもナンセンスであるために理解できなかったらしい感じで「え・・・?」というような顔をするので、俺はもう少しこの人の感覚に質問のニュアンスを合わせようとして「そういう新企画を考えるような姿勢って、容認されませんか?」みたいに訊き直した。するとS田さんは「まあ・・・絶対に容認されないということはないですけど・・・」というような答えを返した。「あるわけねーだろ」と言いそうだったけど、絶対にないことを保証する根拠もないから、という理由でそういう玉虫色の回答にしたという風だった。やっぱ単なるサラリーマンには必要のない発想で、無駄なことを訊いたな、と俺は思った(夢の中ではない今なら思うが、別にS田さんはそういう人じゃないし、社風もそんな感じじゃない。なんでこういう夢を見たのかは分からん)。
 あと俺の元バイト先の台湾か中国系のむかつく女が、うちの会社にも出入りしているのを見て、「まだあそこで働いてるのかね。それとも別の企業に入ってたまたまここと関係があるのか」みたいなことを考えて、でもむかつく奴だったので声はかけない、というシーンもどっかにあったはず。断片的に覚えてる。