冷たい熱帯魚 感想

 ぷりっぷりのおしりさんの勧めで、冷たい熱帯魚というアニメ……じゃねえや、映画を観ました。就業後に一本アニメ……じゃねえや、映画を観るってのもなかなか乙ですな。なんでか知らんが、アニメって言ってしまう。
 ストーリーとしては、金魚屋やってる核家族の娘がグレて万引きして、警察に届けられようとしたがすんでのところで別の金魚屋のオーナーが手打ちにしましょうとはたらきかけてくれて、娘さんを更生させる意味でもウチで雇いましょうみたいなことになったが、実はこのオーナーが邪魔なやつを解体して消しまくる殺人鬼で、その妻もグル、その顧問弁護士とかいうやつもヤクザみたいなやつでグル、核家族は妻も娘はセックスされるわ、父は殺人の手伝いさせられるわでもう大変よ。次々と邪魔者を殺していくけど県警に嗅ぎつけられて、最終的にその金魚屋のオーナーと妻を核家族父がぶち殺して、娘の目の前で妻もぶち殺して「生きるってのはな〜痛いんだよ〜」とか言いながら自殺して、もう殺人しまくりでどうにもならんから死ぬけどせめて何か娘に印象づけようみたいな感じで死んでいったが、娘は「やっと死にやがったなこの糞親〜」とか言いながらうれしそうに父の死体を蹴りまくるとかいう終末。
 その殺してバラすシーンがグロくて、あと女の乳とか出まくりで、上品とはいえない映像の連続でした。まあ……ツカミはバッチリで、その後も目が離せない感じで、なかなか良かった。でもまあ……時代が古いせいもあるのか、舞台が地方だからか、なんか芋っぽい。あと常軌を逸した殺人現場というか死体処理現場を見せられたせいで、父がだんだん洗脳されて従順になっていくんだが、それもどうなのか……。いの一番に警察行けばいいのでは。と思うのだが、洗脳ってこういうもんですよ、そんな思考はスポイルされてしまうんですよ、と言われてしまえば、そうなのか、じゃあ俺には何も抗弁できんな、こんな風な洗脳はされてないから。となってしまい、国交断絶になってしまうので、なんともやりきれない。でも、その洗脳の強力さを言い張ってもいいぐらいの異常な状況ではあったので、納得しろと言われれば、不承不承、納得する。そんな感じでしたね。
 いま思ったけど、この父の人って、SWAN SONGのクワガタみたいだね。最初はめちゃめちゃ引っ込み思案だけど、だんだんと暴力的になってきて、最終的には殺人に慣れていく感じが。でもあっちに比べたら、ちょっと落ちるね。やっぱり内面の心理描写がノベルゲームには勝てないからなあ。こちらの父さんは、無言で状況を見守ったり怯えたりはして、その頭の中で何かしらは考えてるんだけど、それが表出してこないからなあ。その辺がちょっと退屈ではあったな。
 まずまず、よかったといえばよかったっす。